<準決勝>

第一試合:常葉菊川 ‐ 浦添商

第二試合:大阪桐蔭 ‐ 横 浜



 常葉菊川対大阪桐蔭、常葉菊川対横浜、浦添商対大阪桐蔭、浦添商対横浜の4パターンのうち、どの決勝戦を観たいかと聞かれれば、迷わず常葉菊川対横浜と答えるだろうか。大阪桐蔭はお隣の北大阪代表。強力打線が売り物であるが、投手力に問題が出てきている。バテ気味のエース福島由に不安が残り、たとえ横浜に勝ったとしても、決勝ではもはや苦しいのではないかと思われる。そういう点では常葉菊川も同じで、エース戸狩は左ひじ痛でもはや速球が投げられる状態ではない。今日の試合もほとんどサイドスローで、球速は120キロ程度であった。野島などとうまく継投してなんとか終盤へと持ち込んでいくスタイルで勝つしか方法がないと見られるが、打線の方は上り調子で、爆発力が凄まじいため、決勝では打撃戦では持ちこたえることができるのではないか。浦添商もエース伊波は、準々決勝で温存気味ではあるが、常葉菊川打線に捕まる可能性が高い。上地時、島根と継投すれば、勝機が見えてくるかもしれないが、たぶん伊波と心中のつもりでやってくると思われる。そうなれば常葉菊川の思うつぼになってしまうのではないか。たとえ勝っても決勝に余力を残すのは難しいだろう。4校のうち横浜の左腕エース土屋だけが、疲れを感じさせない投球のように見える。最もハードなゾーンを戦ってきたと言える横浜。1、2回戦の頃と比べ、余裕が見られ、成長、進化が感じられるという点で決勝に残っても戦えるとみた。優勝候補はずばり横浜。ならば対抗は常葉菊川とさせていただきたい。わが京都代表・福知山成美を破ったからというのもあるのだが、左腕・土屋に対して常葉菊川打線がどう挑むのかというのを見せてもらいたい。ということで、決勝は常葉菊川対横浜というのでどうだろうか。少し語弊があるかもしれないが、優勝はなくとも、あの松坂から10年間、高校野球の王座を守り続けたと言っても過言ではない横浜に対して、旋風のごとく、現れたのはどんな場面でもフルスイングの新鋭・常葉菊川。90回記念大会にふさわしい決勝になるような気がしてならない。なんだか決勝の見どころを書く勢いではあるが、浦添商対大阪桐蔭というのがピンと来ないのがその理由だ。浦添商は長打力、大阪桐蔭は残塁数が気になる。確かに浦添商なら伊波や漢那に、大阪桐蔭なら浅村、萩原に期待するものはあるのだが。常葉菊川の伊藤や前田の豪快さ、横浜の筒香や大石の素材に、並々ならぬ期待をかけてしまうのが本能というべきか。とにかく直接対決で何らかの決着をつけてほしいのだ。




★常葉菊川
 
 準々決勝:13‐10 智弁和歌山 ⇒3点差 安15二2三0振8四5犠1併1残6失1
  投:野島→戸狩→萩原→浅川→戸狩 本塁打:前田

 3回戦:11‐9 倉敷商 ⇒2点差 安13二2三0振5四0犠2併0残3失5
  投:萩原→野島 本塁打:町田、伊藤

 2回戦:2‐1 福知山成美 ⇒1点差 安3二1三0振6四5犠1併0残4失0
  投:戸狩→野島→戸狩


★浦添商

 準々決勝:4‐3 慶 応(延長10回) ⇒1点差 安8二1三1振6四3犠5併0残7失1
  投:上地時→島根→伊波  

 3回戦:3‐1 関東一 ⇒2点差 安9二1三0振1四2犠4併0残7失1
  投:伊波 

 2回戦:12‐9 千葉経大付 ⇒3点差 安13二5三1振5四4犠5併0残6失2
  投:伊波

 1回戦:7‐0 飯 塚   安11二0三3振6四5犠3併0残8失0
  投:伊波


★大阪桐蔭

 準々決勝:7‐4 報徳学園 ⇒3点差 安16二3三0振3四4犠1併1残10失0
  投:福島由→奥村→福島由 本塁打:奥村、萩原

 3回戦:7‐5 東 邦 ⇒2点差 安14二3三0振4四3犠2併0残10失1
  投:福島由→奥村→福島由

 2回戦:6‐5 金 沢(延長10回) ⇒1点差 安16二3三1振3四4犠3併0残14失0
  投:福島由→奥村→福島由 本塁打:浅村2

 1回戦:16‐2 日田林工    安19二5三3振4四7犠4併0残10失1
  投:福島由→奥村→永島→奥村 本塁打:奥村


★横 浜
  
 準々決勝:15‐1 聖光学院     安18二5三0振4四6犠4併0残6失0
  投:土屋→田山 本塁打:筒香2

 3回戦:3‐2 仙台育英 ⇒1点差 安9二0三0振4四7犠4併0残12失0
  投:土屋
 
 2回戦:7‐4 広 陵 ⇒3点差 安9二2三2振5四6犠1併0残9失2
  投:土屋 

 1回戦:6‐5 浦和学院 ⇒1点差 安9二3三0振2四3犠3併1残6失1
  投:土屋 本塁打:筒香