■日本新薬がミキハウスを下し、都市対抗に王手  出場選手全員の18安打で11得点

★第80回都市対抗京滋奈第2次予選決勝リーグ戦第二日:ミキハウスREDS 1-11 日本新薬

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ミキハウスREDS 8回表無死満塁

1番陣田の犠牲フライで1点が入るが、ライト森川の好返球でサードタッチアウト
(ミキハウスREDS 1- 日本新薬)




●日本新薬・森川選手(近畿大)のお話

 4点差あったが、ああいう状況(8回無死満塁)になって、1コ1コのプレーを大事にした。1点はやっても、という気持ちだった。一、三塁になってもかまわないと、サードに投げた。センターの小林さんからの指示もあった。(OBC戦に向けて)前といっしょで、相手にコールドで勝つくらいに戦うだけ。チームは最高で、今年は違う。




09年06月20日(土)

@わかさスタジアム京都

<第二日第二試合>


ミキハウスREDS

220 010 011 H 7 E4

000 000 010= 1

201 010 07×=11


323 020 26× H18 E0

日本新薬

(ミ)矢田、森、坂元―谷村
(日)田中、塩満、村田、尾崎―堂前


▽二塁打:辻田2(ミ)藤谷、森川、小林、保田、高橋(日)


【戦況】

 2次予選決勝リーグ2日目第二試合。日本新薬が先制し、粘るミキハウスを終盤に突き放して2勝目を挙げた。出場選手全員の18安打11得点。ミキハウスは痛い2敗目を喫した。明日(21日)日本新薬が、OBC高島(1勝1敗)に勝てば、第一代表として9年連続の都市対抗出場が決まる。ミキハウスは甲賀(1勝1敗)と対戦する。

 日本新薬は1回、1番松本の右前、2番森川の中前打で一、二塁とすると、4番藤谷がカウント2-2から中前に適時打を放ち1点を先制。続く5番堂前が強烈なサードライナーを放つ。三走・箸尾谷が慌てて戻って、サードと同時にスライディングした。判定はセーフで、二、三塁に走者を残す。続く6番小林のサードゴロがエラーを誘ってもう1点追加した。3回は4番藤谷が左前打後、盗塁を決め、一死二塁で5番堂前が投手強襲の左前適時打を放ち、2-0とする。5回には1番松本の右前打、2番森川の犠打で二塁に進め、4番藤谷が右中間へ適時二塁打を放ち、その差を4点とした。反撃したいミキハウスはようやく8回、先発田中から受け継いでマウンドに上がった塩満を攻める。7番DHの内海が四球を選び、8番小林が右前にポトリと落とすと、9番紀之定が四球で出塁し、無死満塁のチャンスを掴んだ。ここで塩満から村田へスイッチ。続く1番陣田はライトへ犠牲フライ。内海がホームインして1点を返した。しかし、ライト森川がホームではなくサードの方へ送球したことで二走がタッチアウト。一死一、三塁とチャンスを拡大するところを、二死一塁としてしまった。その後村田の暴投2つで三塁へと走者を進めたが、2番金田がライトライナーに倒れ、大きなチャンスを逃す。逆に新薬はその裏、決定的な7得点を挙げる。4番藤谷のゴロをサードが暴投。二塁へと進めてしまった。そして、5番堂前の三塁線ギリギリのバント。これが切れないまま線の内側で止まった。ここから新薬打線が爆発。6番小林が右越え適時二塁打で1点。7番保田が右中間に2点適時打。途中出場の高橋が中前適時二塁打で1点。1番松本が左前打と二盗。二、三塁として2番森川が右前に2点適時打を放った。ここで救援した坂元が4番藤谷の時、暴投しタッチアップで三塁に進んでいた森川がホームを踏んだ。9回の新薬のマウンドには尾崎が上がり、先頭の3番前川に中前打を許すも、後続を全てフライに打ちとった。ミキハウスは2回の無死二塁(左前打、本塁憤死)、5回の一死一、二塁のチャンスを生かせず、前半に得点できなかったことが終盤に効いた。


【感想2】

 田中と森の投げあい。サイドスロー、アンダースローと新旧の京都のエース同士が投げ合っている。お互いが投げ合ったことがあるのか、またそれは何度目なのか。何勝何敗か。5回表裏、6回表は三者凡退だった。6回裏、森は二死までこぎつけだが、2番森川が三塁線にサードの10メートルくらい向こうにポトリと落とすラッキーな二塁打を放った。サードはもう少しで追いつきそうだった。3番箸尾谷がセンター前へ、しかし、陣田から好返球が返ってきて本塁タッチアウト。不用意に点をやらない。7回を終えて4点差、だがミキハウスが来る予感。なぜと言われても答えられない。そろそろ来てもおかしくない。新薬は8回、田中から塩満に継投した。

 左のサイドスロー、塩満でミキハウスの目先を変えたかったのだろうが、なんと左の7番DHの内海に四球。続く8番小林の打球がライトへポトリ。一、二塁となった。左の9番紀之定がカウント1-3から四球を選ぶ。なんと無死満塁。塩満はこの場面で本来の力を発揮できず降板。マウンドには村田が上がった。村田が連打を浴びれば、ミキハウスに大きく流れが傾く。1番陣田が放った打球がライトへ舞い上がった。犠牲フライには十分な距離。1点が入るなと思った。ライトの森川は送球した。三走の内海はかなりスタートが遅かった。ホームでアウトになるぐらい遅かったのだが、二走の小林もこれまた、スタートが遅かったのか、ライトへ飛んだ打球が抜けると思っていて、抜けなかったので一旦戻ってからスタートを切ったのかわからない。ライト森川の投じたボールはどこかで中継されたか、いつの間にかサードのグラブへと収まる。小林はまさか、こっち(三塁)へ投げてくるとは思わなかったのではないか。滑り込んだがタッチアウト。僕の想像を超えるビッグプレーだった。セーフなら一死一、三塁。アウトになったので二死一塁になった。アウトにならなければ、盗塁して一死二、三塁、打順は2番、も考えられただけに、ここが勝負の分かれ目になってしまった、と思う。二死一塁でテンションが落ち気味の、2番紀之定の放った打球はライトライナー。村田が暴投2つで走者が三塁に進んでいただけに不運だった。

 サードの小林はかなり悔しい走塁をしてしまったと落ち込んだだろう。切り替えて行きたかったが、8回先頭の4番藤谷の打球をなんと一塁悪送球。190センチの長身、一塁辻田がジャンプしても全く届かない大暴投で、藤谷は二塁へ到達。ただ1点がほしい新薬は5番堂前に送りバント。そのバントが完璧だった。三塁線をまっすぐ転がって、森は捕っても一塁はセーフになると判断し、ファウルになれ、と見送った。しかし、打球は切れずに線に沿って転がりやがて止まった。ミキハウスにとっては最悪の事態となった。追い上げムードどころか、突き放される絶対絶命ともいえる展開。ここからは戦況に書いた通り、新薬が待ってました、とそのときを見据えた怒涛の長打攻勢でこの回6安打7得点を記録し、9回は新人・尾崎が先頭の3番前川にセンター前ヒットを浴びるも、3人をフライアウトに打ち取ってゲームを締めた。

 結局、これが企業チームとクラブチームの差だなあ、と痛感した試合だった。経験値ではミキハウスの選手の方があるわけだし、だが、試合勘というのか、打撃にしろ守備にしろ、毎日練習のできる新薬には敵わないという側面が出た。そして隙を見せなかった新薬が勝利した、というところと思う。決して点差ほどの力の開きはないと思うが、日本新薬はここ数年で今一番の輝きを放っている。投手のやりくりの面でも、ミキハウスにはもう一枚、若いエースが出てきていれば、と思う試合だった。僕の思惑では、ミキハウスが終盤に逆転勝利することだった。そうすれば、4チーム全部が1勝1敗で最終日を迎えるというハラハラドキドキの展開になる予定だったのだが、新薬は決して思い通りにいかせてくれない。ライト森川の返球(+中継)で、新薬の優勝が一歩どころか二歩進んだと言っても過言ではないと思う。そして、ことごとく4番藤谷。この人に打たれると相手チームに与えるショックが倍に増えると思う。





ミキハウスREDS

8  陣 田  3-1-1
9  金 田  4-1
4  前 川  4-1
7  岸 江  4-0
3  辻 田  4-2
2  谷 村  4-1
D  内 海  1-0
5  小 林  3-1
6  紀之定  2-0
P  矢 田
 P  森
 P 坂 元


日本新薬

7  松 本  5-3
9  森 川  4-3-2
D  箸尾谷  5-2
3  藤 谷  5-3-2
2  堂 前  4-2-1
8  小 林  4-1-2
6  保 田  4-1-2
5  釜 谷  4-1
4  木 戸  3-1
 4 高 橋  1-1-1
P  田 中
 P 塩 満
 P 村 田
 P 尾 崎




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