05夏準々決勝より 京都外大西3-2大谷
先述したように、私立である京都外大西、平安、京都成章の3強の優位に変わりはないが、秋、春は振るわなくても夏本番に最大限の力を出してくるチームがある。結果的には甲子園出場には至らなかったとしても、大会前の注目はそれほどでないにしても、私立を敗れる力を持つとしたら、同じ私立の伝統校である可能性が高い。高校野球は同じ高校生同士が競い合うのだから、やってみなくてはわからないのではあるが・・・。3強の上位進出を阻む意地を見せるのはどこか。
今も昔も私立校同士のライバル意識は強い。たとえ学校同士が離れていても、偏差値がどうとか、生徒の質がどうとかとうわさされ、何かと比較されているが故に、お互い意識していないふりをしていても実際してしまっているのが私立校に通う生徒の性である。京都府全域で同じ試験を受け、住んでいる地域であやふやに?振り分けられる公立校同士の対戦とはわけが違う。時には学校の名誉がかかってしまう。それは公立校生の意識とは明らかに違うもので、長年に渡る学校の伝統や歴史が、電車に揺られて通学することによって、そのまま3年間の学校生活で体に深く刻み込まれてしまうからだろう。公立には悪いが、私立校生の本音は、勝って当然、同じ私立にも・・・負けたくはない。
私立有力校を紹介しよう。まずは、姉妹校でありながら競い合う春ベスト4の立命館と2年生が主力を占める立命館宇治。続いて、速球派右腕の駒谷が存在感を増した福知山成美、昨年ベスト4の京都学園、強打者の黒川を中心に4年ぶりの夏制覇を目指す東山、ここ15年で準優勝2回の大谷、投手、守備に期待がかかる伝統校の花園。そして、韓、林田の継投が得意の今大会初シードの京都国際、2年生左腕・井木を擁する京都両洋、東大入学者多数、頭の良い野球に励む洛星、去年のドラフトでロッテ3位指名を受けた末永を輩出したばかりの南京都。一体どこが上位進出を果たして、3強に一泡吹かせることができるのかが楽しみだ。
3強と言われる京都外大西、平安、京都成章は、共に中心打者が左という共通点を持っている。左腕の好投手がいるチームと対戦する時に、思わぬ落とし穴が待ち受けているかもしれない。打線は水ものというが、試合後半までを接戦に持ち込むことができればわからない。自ずと好機が見えてくるかもしれない。一発勝負のトーナメントに絶対はないのだ。
参考:京都新聞