センバツが終わってはや10日。優勝候補にも挙げられていた福知山成美が2回戦で、初優勝した清峰(長崎)に0-1という僅差で敗れた。相手の今村投手はプロ注目の大会屈指の右腕で、福知山成美打線は8安打を放ちながら完封された。一方、今村投手と同等に好投した福知山成美・長岡投手は4安打に抑えながら、5回にスクイズで1点を先制されそのまま敗れた。両投手の投げあいは見事だったが、明暗が分かれる。京都の野球ファンからすればため息も出るような試合展開だったことは言うまでもない。どこかで何かがあれば成美が十分に勝てる見込みはあっただろう。しかし、勝負とはそういうものだ。
 ここ数年(京都代表が出場した過去10大会)の京都代表の戦績をご存知だろうか。自分でも調べてみて驚いたが、負けたチームがそのまま優勝、または準優勝しているケースが6回、4強進出が2回、8強進出が1回となっている。

 その内、(負けたチームが)4強進出した2回は、07年夏選手権の京都外大西、06年夏選手権の福知山成美を破った長崎日大、鹿児島工で、いずれも優勝した佐賀北、早稲田実に、(負けたチームが)8強進出した1回は、04年夏に京都外大西を破った横浜で、優勝した駒大苫小牧に敗れるということで、負けたチームを倒したチームが優勝したのが3回もあるというのも奇妙。

 ついでに言うと、負けたチームが優勝、準優勝していない、4強、8強にも進出していないケースは1回だけで、それでも06年センバツ1回戦で京都外大西を破った東海大相模は、2回戦で清峰に敗れたものの、清峰は準優勝。優勝の横浜に破れ、負けたチームを倒したチームの準優勝が1回ということだった。よって(ややこしいが)、京都代表を倒したチームを倒したチームの決勝進出は100%ということになる。一体京都の代表校はどんだけ惜しい試合を繰り返せばいいというのか。京都代表のレベルの高さはこれで証明されるように思うが、なんとやるせない。しかも、今回の福知山成美のように1点差で負けるなんてあんまりだ。

 調べてみると、なんとこの10大会で1点差負けは7回を数える。2点差が1回(05年夏選手権決勝での京都外大西対駒大苫小牧)、3点差が1回(06年センバツ1回戦での京都外大西対東海大相模)。大量得点差は1回のみ(08年センバツ準々決勝での龍谷大平安対聖望学園)でこれだけはっきり負けた方が逆に気持ちいい気すらするのは私だけだろうか。

 まあ、あくまでデータはデータで結果論ではある。負けたチームが決勝まで勝ち進んだからといって、もし仮にそこで勝てていたからといって、決勝まで必ず行けていたということは言えないのだが、あまりに悔しい負け方を繰り返しているだけに残念。今度の夏こそは甲子園での上位進出を果たしてほしいところだ。

 桜も舞うこの頃、12日に各地の高校グラウンドで09年春季府大会が開幕。夏の前哨戦はいかに盛り上がるだろうか。秋季からの各校の成長に期待し、2次戦で福知山成美・長岡投手を打ち崩すチームが現れることを切に望む。




【京都代表が出場した甲子園過去10大会の京都代表校の敗戦ゲーム一覧】

<09センバツ2回戦>

・清 峰(長崎) 1-0 福知山成美
(清峰は優勝、花巻東(岩手)が準優勝)

<08夏選手権1回戦>

・常葉菊川(静岡) 2-1 福知山成美
(常葉菊川は準優勝、大阪桐蔭が優勝)

<08センバツ準々決勝>

・聖望学園(埼玉) 8-0 龍谷大平安
(聖望学園は準優勝、沖縄尚学が優勝) 

<07夏選手権3回戦>

・長崎日大(長崎) 5-4 京都外大西
(長崎日大は4強で佐賀北(優勝)に0-3で惜敗、広陵(広島)が準優勝)

<07センバツ>

・出場なし

<06夏選手権準々決勝>

・鹿児島工(鹿児島) 3-2 福知山成美(延長10回)
(鹿児島工は4強で早稲田実(優勝)に0-5で惜敗、駒大苫小牧が準優勝)
  
<06センバツ1回戦>

・東海大相模(神奈川) 4-1 京都外大西
(東海大相模は2回戦で清峰(準優勝)に延長14回2-3で惜敗、横浜が優勝)

<05夏選手権決 勝>

・駒大苫小牧(南北海道) 5-3 京都外大西
(駒大苫小牧が優勝

<05センバツ>

・出場なし

<04夏選手権2回戦>

・横 浜(神奈川) 1x-0 京都外大西(延長10回)
(横浜は準々決勝で駒大苫小牧(優勝)に1-6で惜敗、済美が準優勝)

<04センバツ1回戦>

・愛工大名電(愛知) 5-4 立命館宇治
(愛工大名電は準優勝、優勝は済美)

<03夏選手権3回戦>

・東 北(宮城) 1X-0 平 安(延長11回)
(東北は準優勝、優勝は常総学院)