前回は第89回高校ラグビーについて触れたが、翌日、準決勝で京都成章を下した東福岡(福岡)が、やはり圧倒的な攻撃力で桐蔭学園(神奈川)を31-5で下して、2年ぶり2回目の全国制覇を成し遂げた。決勝までの総得点が史上最多。現チームが始まって1年間の公式戦29連勝無敗という他を寄せ付けない、とんでもない強さだった。

 そう言えば、我らが京都代表・京都成章だけが、東福岡に2トライを挙げたことを賞賛し、準決勝としては史上最多失点67、最多得失点差55であったことは置いておいて、2年連続ノーシードからの4強進出は立派だったと申し上げたい。

 話は変わり、第88回高校サッカー。京都は立命館宇治が初出場ながら、秋田商(秋田)を3―2で下して、京都勢8年ぶりの初戦突破を果たした。しかし、2回戦で山梨学院大付(山梨)に1-0で敗れた。後半13分にPKを決められ惜敗。残念だが、相手の力が上だった。同じく初出場の山梨学院大付は今日、準決勝で矢板中央(栃木)を2-0で下して初の決勝進出。11日に青森山田(青森)と激突し、初優勝を目指す。

 その対戦相手となる青森山田だが、準決勝で関大一と対戦した。青森山田のペースで試合は進み、勝利は目前だった。しかし、関大一は2点差をつけられながら、後半44分に1点を返し、ロスタイムで同点に追いついた。あきらめない強い気持ちが作用して、終盤の最後に実を結んだのだったが、時間はもう残っておらず、結果PK戦で決着をつけることに。そして、惜しくも青森山田に2-3で敗れた。

 決して自分の思い通りにならないし、最初からルールで決まっているのではあるが、延長戦をした方がよくありませんか?決勝は前後半を終わって同点なら延長がある。PK戦で決着をつけるというのは、サッカーファンは納得できることなのかもしれないが、そうではないただのファンとしては観ていて、もう少しなんとかならないものかと考えてしまった。もちろん、関西人としての勝手な意見。負けたから言っているのに過ぎない。選手の体力や色々と事情があるのだろうが、これもいまひとつ納得できないことだ。試合とPKは別物だという感があるし、それなら最初からPKで決めるということでもなかろう。なんとか延長戦を実施して、それでもやはり決まらないからPKということにしてはどうなのか。こんな話は今に始まったことではないが、どうしてもつぶやきたくなる。試合後のロッカールームで、選手が「わかってはいるけど、あそこまでいったのなら…延長戦がやりたかった」と言ってほしい。そうすれば、ルールが変わる可能性だってなくはない。


 それにしても、高校ラグビーもサッカーも、京都代表が負けた相手が決勝進出。ラグビーは伏見工か京都成章が、もうすぐ全国制覇するかという状況だが、サッカーの方はまだまだ期待できるとは言いにくい。今年は立命館宇治が8年ぶりに初戦突破した。よくやったと思う。2006年からJ1京都サンガと提携したことにより、4年間チームを率いている梁相弘(ヤン・サンホン)監督の指導が開花。よって同校がいっそう強くなっていくことは間違いないだろう。近年力をつけてきた私立の京都橘、福知山成美などや公立の城陽、久御山などと群雄割拠の時代を築き上げれば、京都勢の全国大会の活躍は必至になるかどうか…。とりあえずは、山梨学院大附に優勝してもらおう。今日の山梨の試合を観る限り、私は死角は見当たらないように見えた。11日の、その結果がきっと、京都勢の励みにつながるはずだ。






<今大会の結果>

第88回 ● 立命館宇治 0-1 山梨学院大附(山梨)<2回戦> ⇒山梨学院大附が決勝進出

第88回 ○ 立命館宇治 1-0 秋田商(秋田)<1回戦>



<最近の京都勢初戦結果>

第87回 ● 京都橘 0-2 前橋育英(群馬) ⇒前橋育英(群馬)がベスト4

第86回 ● 久御山 1-2 流通経大柏(千葉) ⇒流経大柏(千葉) が優勝

第85回 ● 福知山成美 0-2 帝京大可児(岐阜)

第84回 ● 城 陽 0-1 岐阜工(岐阜)

第83回 ● 城 陽 1-1 羽 黒(山形) PK1-4

第82回 ● 京都朝鮮 0-2 武南(埼玉)

第81回 ● 伏見工業 1-1 盛岡商(岩手) PK3-5

第80回 ● 久御山 1-2 東 北(宮城) 

第79回 ○ 久御山 2-0 秋田西(秋田)




(参考HP)

第88回全国高校サッカー選手権大会

全国高等学校体育連盟

日本サッカー協会

全国高等学校サッカー選手権大会

高校サッカー