延長10回 すばる・中野のホームスチールで決勝点が入る
(06秋季2次戦 京都すばる4-3京都国際)
★京都すばるが夏に続いて8強進出
(太陽が丘)
試合開始予定 : 10:00
試合時間 : 2:14
京都すばる H E
0002000011=4 4 0
0000000030=3 9 3
京都国際 (延長10回)
(す)中村-西村
(国)申斗(~5回)、由里(6回~)-張
本塁打:小松(国)
二塁打:稲川、中野(す)小松、金田(国)
本盗:中野
(戦況)
すばるは2回表、3番中村4番西村の連続内野ゴロの間に1点ずつ2点をもぎ取り先制した。すばるの先発・中村は走者を背負っても落ち着いた投球で国際打線を術中にはめ、得点を許さず。速球に変化球が両サイドへ決まり、そのうえ、飄々としたマウンドさばきが時にうまさを感じさせた。
試合は何も起きないまま9回へ。表に押し出しの死球ですばるが3-0とし、いよいよ完封でもって準々決勝進出を決定付けるのかと思われたが、その裏、国際は7番張の犠飛で1点、さらに途中出場の背番号8小松がレフトポール際に同点2ランを放ち試合を振り出しに戻し延長戦へと突入する。
しかし、国際の意地もそこまで。すばるは2死3塁カウント1-1から国際・由里の打者への集中力を逆手に取り、走者中野が果敢にホームへと突入する。投手に気づかれることなくスタートを切ったためか、それに慌てた投手の暴投をも誘う形で、完全にセーフとなり決勝点を挙げた。
国際は安打数9ですばるを上回ったものの、なかなか決定打が出ず反撃も遅かった。逆にすばるは国際・先発申斗、救援由里の気迫の投球の前に、適時打はなかったものの、それでもなんとか4点を奪ってベスト8へと駒を進めた。すばるの次は明後日10月2日(月)。14時から西京極球場で国体で早稲田実・斎藤フィーバーを体感したばかりの福知山成美と対戦する。
(感想)
翔英はすぐそこだし、西城陽もここから近い。なぜに西京極が3試合で太陽が丘は1試合のみなのか。わけもわからず太陽が丘に到着した。600円払って内野席に入った。会場には各校の応援の方々がおられるものの、実に少なかった。西京極はたくさんの人が来ているのだろうか。高野連の方々はこの状況をどう思っておられるのだろう。2試合ずつすればいいじゃないか。
高校野球の監督にはプライベートはない。年中無休。四六時中生徒のために自由はない。福知山成美・田所監督がバックネット裏に来ておられた。明日は早稲田実と試合だろうに。兵庫におられてもいいんじゃないかと思った。せめてそんなことになるのだったら西京極でこの試合をしてあげればいいのに。すばるも国際も情報は少ないのか。まばらな観客席を見つめながらバックネット裏に腰を下ろした。
なんだか試合も地味な展開になってしまった。力の差があるのかないのかよくわからない。投手戦なのか貧打戦なのかの見当もつかない。ただ試合は流れていった。この試合が終わったら、公立高同士の練習試合が行われるという。なぜにそんな試合がこの後に行われなければならないのだろう。この試合に負ければ夏の甲子園と同じように、春の甲子園をあきらめることになる。センバツ出場権をかけて戦っている。この試合に負ければ公式戦は4月までない。
秋にはこれといって戦力が整っていてずば抜けた実力を持つチームは少ない。そして、精神的にも肉体的にもまだまだ発展途上中といった感が否めないので、観ている者には若干試合がつまらなく感じるときがある。それはミスで試合が決まってしまったりするケースだ。今日のこの試合の場合は、これはミスと言っていいのか、決勝点はホームスチールだった。サインなのか自分の判断なのか想像つかないが、それに気づいた投手が投げた球も暴投となり捕手が後ろにボールを逸らした。秋とはいえ、悔やまれる一球である。攻撃した側はしてやったり、と思うのだろうか。勝ったからいいもののいい球が送球されていれば当然アウトになっていた。打順は2番。隙をつく好走塁と言ってしまえばそれまでだが、それほどの冒険をしなくとも3番4番が待望のタイムリーを放っている可能性もあった、と思う。
これで京都国際はしばらく公式戦がなくなった。何が課題なのか。これといったことはないようにも感じられる。試合には負けたが、終盤には猛反撃で追いついたし、すばる打線も結果的に4安打に抑え、何も怖くなかった気がする。強いて言えば、何もないこと、負けた気がしないことかもしれない。
試合後、すばるの中村君がキャッチボールをしていると、グランドを整備する知り合いらしき久御山高の選手に声をかけていた。「お前なんでいんの?」「空いてるらしいねん」。とても不思議な会話が耳に残った。国際の試合はもうしばらく観ることができない。高校野球といえどもたくさんの人に観られてなんぼだし、なぜ2試合行わないのか。練習試合を観てもなあ。秘密練習の写真を撮るのも気が引けるし、それだったらこのまま西京極へ直行か-。でも、行けなかった。この券で西京極に行っても観られるのかもあえて聞かなかった。聞けなかった。「使えません」、とあっさり言われる気がしたからだ。券を販売する女子高生が裏に隠れている大人にこそこそ話をして、「無理です」、と言われ、後から変なうわさ話をされるのは想像がついた。帰り道でたくさんの西宇治の選手とすれ違った。西宇治は城南とこの春合併するらしい。よって、来春はもう観られない。何か特別な練習試合だったのだろうか。それでも足は止まらず、家に帰ることにした。試合中京都外大西が翔英にコールドで勝った、というアナウンスを聞いた。やはり波乱は起きないのか。その後の試合もきっと順当に決まったりするんだろうな。西京極のことを色々と考えながら、太陽が丘で1試合だけ観て帰るというのを少し得意げに思ったりもした。そんな感じで今日は終わった。