京都アマチュア野球だより

試合結果、選手成績などを写真付きで紹介しています (SINCE 7.06) 著:若林千尋

08京都府秋季大会

08秋季近畿高校野球大会第5日準決勝:PL学園 3‐2 福知山成美

■福知山成美、準決勝でPL学園に惜敗  長岡、毎回14奪三振

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PL学園打線を3失点(14奪三振)に抑えた福知山成美・長岡


◆戦況&感想

 秋季近畿大会準決勝が西京極球場で行われ、第一試合で地元京都の福知山成美がPL学園に2‐3で逆転負けを喫した。第二試合では天理が金光大阪を7‐6で下した。明日午前11時からPL学園‐天理の決勝が行われる。

 福知山成美は1回裏二死から3番杉本、4番深瀬の連続安打で一、二塁とすると5番福本が右前に弾き返して先制。2回裏は一死一、三塁でこの試合1番に起用された西元がレフトフェンス直撃の適時打を放ち、序盤2‐0とリードした。しかし、PL学園が反撃。5回表二死一、二塁で1番吉川が中前に適時打。さらに6回表二死二、三塁で7番村田が中前に2点適時打を放ち、逆転した。PL学園は序盤4失策を記録する、守りのミスが連発し、福知山成美にその都度好機が訪れたが、成美がそれを生かせず追加点が奪えなかったのが痛かった。PL先発の中野は立ち上がりこそ不安定だったが、尻上がりに調子を上げて完投した。福知山成美先発の長岡は、序盤から直球、変化球ともに抜群だったが、中盤のピンチで踏ん張れず、いずれも変化球をセンターへ持っていかれた。準決勝の舞台でPL打線を相手に被安打6失点3と安定していた。毎回14奪三振を含め、今後大いに期待がかかる内容だった。




08年11月1日

@西京極

▼準決勝

PL学園

001 012 011 H6 E4

000 012 000=3

110 000 000=2


320 100 011 H8 E1

福知山成美

(P)中野‐藤本
(福)長岡‐福本


▽二塁打:勧野(長岡)大槻(長岡)

▽捕逸:福本
▽試合時間:2時間11分



【PL学園】

8  吉 川  3‐1‐1
4  安 田  5‐1
3  中 井  3‐0
9  勧 野  5‐1
7  大 槻  4‐1
2  藤 本  4‐0
5  村 田  3‐1‐2
1  中 野  2‐0
6  石 崎  4‐1

        33‐6‐3

振14球6犠1併0残10


【福知山成美】

9  西 元  5‐1‐1
7  細 野  4‐1
6  杉 本  5‐1
5  深 瀬  4‐2
2  福 本  2‐1‐1
3  岡 上  3‐0
 H 末 吉  0‐0
 R 越 賀  0‐0
 3 山 本  0‐0
8  渡 部  3‐0
1  長 岡  4‐1
4  田 嶋  3‐1
 H 古 賀  1‐0

        34‐8‐2

振8球2犠3併0残10

08秋季近畿高校野球大会第4日2回戦:東洋大姫路 0‐2 福知山成美

福知山成美、ベスト4進出で初のセンバツ出場当確!!  主戦・長岡、散発5安打完封

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福知山成美 1回裏一死満塁
5番福本がセンターへ犠牲フライを打ち上げて先制する



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東洋大姫路打線を散発5安打に抑え、完封した福知山成美・長岡


◆戦況&感想

 福知山成美(京都1位)が東洋大姫路(兵庫3位)に完封勝ちし、秋季近畿大会同校初のベスト4へ駒を進めた。今大会は来春に行われるセンバツ大会の最重要資料となる。毎年近畿から6校が選出されていることでベスト4への進出が選考での第一条件とみなされている。よって順当であれば、まずは昨日報徳学園に7回コールド勝ちしたPL学園に続き、今朝の第1試合で東洋大姫路を下した福知山成美がセンバツ出場に文句なしで選ばれることになる見込み。来春のセンバツ初出場当確となった福知山成美は、週末11月1日午前10時から準決勝で大阪1位のPL学園と対戦することも決まった。センバツの前哨戦としても大いに期待がかかる。

 福知山成美は1回裏一死満塁から5番福本がセンターへ犠牲フライを打ち上げて先制。5回裏には二死一、二塁で3番杉本のサードゴロが敵失を誘い、レフトへ転がっていく間に、二走が生還し2‐0となった。先発の主戦・長岡は1回戦の桜井戦の不調から立ち直り、東洋大姫路打線を散発5安打(9奪三振1与四球)に抑え、完封した。この試合は3度先頭打者を出塁させピンチを招くこともあったが、得点には結びつけさせなかった。これで長岡は京都大会からいまだ自責点0(計57回)を続けていることになる。

 成美は東洋大姫路の先発、左腕太田勝の前にわずか4安打に抑えられ、苦しい展開だった。何よりも目立ったのはバントミス。走者をきっちり送れていれば、こんなに僅差に見える試合で終わらなかっただろう。雨でぬかるんだグラウンドを考えれば、強く転がることはなかったと思われるだけに計4度の失敗はもったいなかった。試合を振り返ってみれば、結果的に計3度送りバントを決めたことになるのだが、続く打者が太田勝の術中にはまり、相手打線を下回る4安打と絶不調で、なかなか得点にも結びつかなかった。もしも1‐0のまま終盤を迎えることがあれば、長岡も重圧を感じたかもしれないが、敵失で2点差となり楽になったにちがいない。それにしても長岡のピッチングは見ていて点が取られそうな気配を感じない。点差を見れば僅差に感じて当然だが、長岡がいることで3、4点差には見えた。こんなにいいピッチャーが京都のこの秋の時点で見られるのは嬉しいことだ。次のPL学園に対し、どれくらいの好投を見せてくれるか楽しみだ。奈良2位、兵庫3位との対戦でまだ真価は発揮されていない。ぜひとも大阪1位のPL戦で快投をみせてほしい。どうも長岡が良すぎるせいか打線がピリッとしないのも確かで、今回は左腕攻略とはならなかった。雨で本来の打撃ができなかったという分析もできるが、特にクリーンアップに快音が聞かれなかったことは寂しい。PLも同様、左腕の中野が投げてくるだろうから、次が楽しみと言っておこう。さあ、神宮大会へのマジック2が点灯と、気持ちも高ぶってきたぞ。



08年10月25日(土)

@西京極

▼2回戦


東洋大姫路

011 010 101 H5 E1

000 000 000=0

100 010 00×=2


110 010 10× H4 E2

福知山成美

(姫)太田勝‐山下
(福)長岡‐福本


▽盗塁:姫0福0
▽暴投:太田勝
▽試合時間:1時間44分(8:50~10:34)


【東洋大姫路】

6  中 川  4‐0
4  松 浦  3‐0
 H4石 塚  1‐0
8  福 永  4‐1
7  能 丸  4‐0
3  杉 本  4‐1
 R 篠 原  0‐0
5  長 尾  3‐1
 H 前 川  1‐0
9  中 尾  3‐1
2  山 下  3‐1
1  太田勝  2‐0
 
        32‐5

振9球1犠2併0残8


【福知山成美】

4  田 嶋  3‐0
7  細 野  2‐2
6  杉 本  3‐0
5  深 瀬  3‐0
2  福 本  2‐0‐1
3  岡 上  3‐0
8  渡 部  3‐1
9  西 元  1‐0
1  長 岡  3‐1

        24‐4‐1

振2球6犠4併0残8

08秋季近畿高校野球大会第3日1回戦:天 理 14‐4 立命館(8回コールド)

■立命館、初戦コールド負けでセンバツ絶望

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◆戦況&感想 

 立命館(京都2位)は、天理(奈良1位)に対し中盤まで4点をリードしながら、6回に一挙4点を奪われ同点に追いつかれると、7回に6点、8回に4点と点差が広がり、最終的に10点差をつけられて8回コールド負けという苦杯をなめさせられた。先発の中本は同点に追いつかれた6回2/3でマウンドを下り、レフトへ入った。

 立命館は1回裏二死一、二塁から5番松川が右中間で2点適時二塁打を放ち1点を先制すると、二、三塁では6番中本が右前に弾き返してさらに2点を加えて3‐0とリードする。さらに3回裏二死三塁からまたも6番中本の二遊間への当たりが、二塁内野安打となり4点差となった。先発の中本は5回まで被安打わずか2と好投。天理打線を全くよせつけなかった。打者の手元で鋭く曲がる変化球が有効。タイミングが合っていないのが見てとれた。しかし、グランド整備明けの6回、4番西川、5番安田に連打を浴びて1点を返されると、突如制球力がなくなり、犠飛(1失点)を挟んでストレートの四球を2つ与える。満塁となり9番立花に右前2点適時打を打たれ同点に追いつかれた。レフトから救援した松川は準備不足からか制球が定まらない。6回に2四球を与えたところでマウンドから一塁へ入った。救援した三好は一死一、二塁からいきなり5連打を浴びて一挙6失点。8回にもマウンドに上がったが、連打を浴び送りバントを決められたところでベンチへと下がった。その後も救援した奥本が3安打4失点を許し、10点差をつけられ立命館が天理にコールド負けした。

 序盤をリードした立命館だったが、こういう展開になろうとは全く予測できなかった。とにかく立命館のペースそのものだった。試合開始前から元気の良い立命館はグラウンド整備終了直後からベンチ前に整列し、試合が始まるのを今か今かと待ち構えていた。天理はそれにつられて整列するような決まりの悪さで、試合も立命館が主導権を握った。1回は特に感動的だった。一塁手の森岡が一塁手らしからぬ遊撃手か二塁手かのような動きでゴロをさばく。元気も良かった。守備からリズムを作って攻撃に生かす。1回裏、天理先発の左腕沼田は制球に苦しんだこともあったが、球数を放らさせた。そして、4番清水に四球を出した直後、一、二塁から松川が右中間へ二塁打し先制。さらにピッチャーの中本が右前打を放ち2点を追加。左打者の松川、中本が打ったということが何より期待を持たせた。3回にもまたもピッチャーの中本が適時内野安打。天理が相手とは言え、序盤4点差のリードはこの中本のピッチングからするとセフティーリードにも見えたものだった。天理打線は中本の球に予想外に苦しめられていた。カットボールかナチュラルシュートか、手元で曲がる球に見極めが悪い、見逃し方が悪い。ストレートに振り遅れる場面もあったのだ。しかし、6回から別人のような中本がマウンドにいた。(後から知ったことだが、ひじ痛があったようだ)9番の立花に右前に打ち返されて同点とされた。ここからの立命館投手陣は全く精彩を欠いた。期待された左腕松川が制球難でマウンドを降りたところから、ゲーム自体が崩れていった。立命館打線はもはや反撃するどころではなかったように思う。この流れはどこから来たのかと考えるのだが、中本の降板はやはり痛かった。でも、それは仕方のないこととして受け止めて、他に何かなかったかと考える。4回裏が3球でチェンジになった。先頭打者がセフティーバント、次打者が投ゴロ、最後がセフティバント。ちょっと淡白すぎると思うし、意図がよくわからない。意表を衝くとは言い難いかな、あまりにも無理な攻撃法だったし、まさか相手を下に見たかなと思わないでもない。4点差は今では一気に返されてしまうのだ。4回以降1安打に抑えられたのも痛かった。あと1、2点中盤で取っていればどうなっただろうか。天理は最後の3回で14安打16得点。試合終盤、こんな負け方もあるのかと野球の難しさを知った。年々結果が伴ってきている立命館は、必ず次が訪れると思うので、その時はリベンジを果たしてもらいたい。




08年10月25日(土)

@西京極

▼1回戦

天 理

001 014 55 H16 E0

000 004 64=14

301 000 00=4  (8回コールド)


312 001 00 H7 E2

立命館

(天)沼田、田渕‐大西
(立)中本、松川、三好、奥本-清水


▽二塁打:松川(沼田)清水(沼田)立花(中本)内野(三好)大西(奥本)

▽盗塁:天1(立花)立0
▽暴投:沼田、中本


【天 理】

7  内 野 5‐2‐3
4  原 田 3‐1
6  西浦直 5‐0
3  西 川 4‐2
5  安 田 4‐2‐1
9  徳 山 2‐1
2  大 西 4‐3‐4
1  沼 田 3‐1‐2
 1 田 渕 0‐0
8  立 花 5‐4‐4

       35‐16‐14

振5球8犠5併0残10


【立命館】

8  中 村 4‐1
4  中 田 3‐1
6  西 堀 4‐0
2  清 水 3‐1
713松 川 4‐1‐1
17 中 本 4‐2‐3
5  基 村 3‐1
9  飯 村 3‐0
3  森 岡 2‐0
1  三 好 1‐0
 1 奥 本 0‐0

       31‐7‐4

振5球2犠0併0残5

08秋季近畿高校野球大会第1日1回戦:【写真】塔 南(対PL学園戦)

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08秋季近畿高校野球大会第2日1回戦:桜 井 1‐9 福知山成美(7回コールド)

福知山成美、桜井に7回コールドで大勝  2回戦で東洋大姫路と対戦

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念願の秋季近畿大会初勝利を挙げた福知山成美の選手たち。ベスト4進出を狙う。



08年10月19日(日)

@西京極

桜 井(奈良2位)

010 101 1 H4 E3

000 100 0=1

026 010 ×=9  (7回コールド)


036 011 × H11 E2

福知山成美(京都1位)

(桜)奥野、村井‐中尾
(福)長岡‐福本


▽二塁打:西元(奥野)杉本(奥野)長岡(奥野)佐田(長岡)
▽盗塁:桜0福3(渡部3)
▽捕逸:中尾
▽試合時間:1時間38分(8時57分~10:35)



◆戦況&感想
 
 京都1位の福知山成美が、奈良2位の桜井に7回コールドの圧勝。秋季近畿大会通算5度目の出場でようやく初勝利を挙げた。また、エース長岡の京都大会から続いていた無失点記録は45回で途切れた。2回戦では東洋大姫路(兵庫3位)と26日(日)午前9時から対戦する。勝てば、ベスト4進出で来春のセンバツ出場がほぼ確定する。

 福知山成美は2回裏一死二、三塁から8番西元が右翼線に二塁打を放ち2点を先制。3回裏は一死から3番杉本の左中間二塁打を足掛かりに4番深瀬の中前安打、四球で満塁とすると6番岡上が初球をスクイズして3点目を挙げる。さらに、7番渡部の一塁内野安打で1点を追加。一、三塁で渡部が二盗を仕掛けると捕手の送球がセンターに抜け1点。その間に渡部が三塁へ向かうと、センターが三塁へ暴投して渡部も生還した。気落ちした様子の桜井高校。8番西元の遊ゴロを失策。9番長岡は左翼線二塁打で二、三塁。もうこれ以上の失点はどうしても防ぎたい桜井は、レフトから村井がマウンドへ上がった。しかし、1番田嶋の遊撃内野安打で1点。2番細野の右前適時打でさらに1点と、福知山成美はこの回打者11人の猛攻で一挙6点を挙げた。桜井は4回無死二塁で、三塁手の一塁悪送球の間に1点を返したが、成美は5回無死一、三塁で9番長岡の遊ゴロ併殺打の間に1点が入り、8点差となった。先発の長岡は被安打4、失点1で完投。京都大会での投球が素晴らしすぎただけに、今日は本調子とは言えない内容だったものの、連打を許さない要所を締める投球はさすがで、今後も期待できる。もっとも、この試合で気になったのは三塁深瀬の守備だった。失策2は全て深瀬が記録した。ただ桜井の打球が、長岡の投球の前に詰まったかゆる過ぎるために深瀬の守備が深く、タイミングがうまくつかめず、迷いが出たようだった。かなり弱い特殊なバウンドだったようにも見える。だが、4回一死で5‐4‐3の併殺を完成させたり、5回二死でやや遊撃よりの打球をハーフバウンドでうまくキャッチしたりといいプレーもあっただけに4回、8回のミスは少し怠慢な動きにも見えた。まあ、次の試合ではやってくれるだろう。一週間後は問題なしとみる。大量リードしていた試合で細かいことを言っても仕方がない。取られた分だけ取り返せ。成美打線に当たりが出てきたことをなんとも評価したい。次は東洋大姫路戦。是非とも勝利で京都を盛り上げてほしい。



【桜 井】

5  山 口  4‐0
8  佐 田  2‐1
71 村 井  3‐0
3  松 本  3‐0
17 奥 野  3‐1
9  北 田  1‐0
2  中 尾  3‐2
6  金 剛  3‐0
4  長 水  2‐0
 H 西 川  1‐0

        25‐4

振2球3犠0併2残6

        

【福知山成美】

4  田 嶋  3‐1‐1(遊撃的適時内野安打)
7  細 野  3‐1‐1(右前適時打)
6  杉 本  4‐2
5  深 瀬  3‐1
2  福 本  3‐1
3  岡 上  1‐0‐1(スクイズ)
8  渡 部  3‐3‐1(一塁適時内野安打)
9  西 元  2‐1‐2(右翼線2点適時二塁打)
1  長 岡  3‐1‐1(遊撃併殺打の間に)

        25‐11‐6

振3球4犠3併1残5
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